オンライン採用とは？メリットやデメリット、成功のポイントを解説！

近年、企業の採用活動にオンラインツールを活用するケースが増えています。従来の対面式から、Web会議システムを利用したオンライン面接へと移行することで、採用プロセスの効率化やコスト削減などのメリットが期待できます。一方で、オンライン採用ならではのデメリットや課題も存在します。
ここでは、オンライン採用の概要やメリット・デメリットを解説し、成功のポイントについて詳しく掘り下げていきます。

監修者情報

株式会社uloqo
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月株式会社uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

採用課題を解決するなら、300社以上の支援実績を誇る
uloqo（PrHR）の採用代行サービス

このような課題を抱えていませんか？

・採用活動におけるリソース不足にお悩みを抱えている
・面接や書類選考で、改善や採用広報等に手が回らない
・どうしたら採用活動がうまくいくのかよく分からない

uloqo(旧PrHR)の採用代行サービスは、結果にコミットし、採用目標達成に向けて、
あらゆる打ち手を考案・実行します。

採用戦略設計・採用広報企画・スカウト媒体・人材紹介会社・SNS等、
あらゆる採用手法の活用、候補者対応まで、採用に必要な機能を
豊富なノウハウと実績を活かし、高い品質でご提供します。

オンライン採用とは？

オンライン採用とは何か、その特徴や種類、背景について説明します。

オンライン採用の定義と特徴

オンライン採用とは、インターネットを介して行われる採用活動のことを指します。Web会議システムやチャットツールなどを活用し、対面式の面接や説明会をオンライン上で実施するのが特徴です。場所や時間の制約を受けずに、効率的に採用活動を進められるのが大きなメリットといえるでしょう。

オンライン採用の種類と方法

オンライン採用には、主に以下のような種類があります。

これらの方法を組み合わせることで、採用プロセス全体をオンライン化することも可能です。

オンライン採用が広まった背景と現状

オンライン採用が広まった背景には、以下のような要因があります。

出典：）「情報通信分野の現状と課題」 総務省
現在では、多くの企業がオンライン採用を導入しており、今後もその傾向は続くと予想されています。

オンライン採用のメリットは？

オンライン採用には、企業と候補者双方にとってのメリットがあります。ここでは、オンライン採用のメリットを５つ紹介します。

採用プロセスの効率化と迅速化

オンライン採用を導入することで、採用プロセスの効率化と迅速化が図れます。Web会議システムを利用すれば、面接の日程調整や会場の手配などの手間が省け、スムーズに選考を進められます。また、オンラインアセスメントを活用することで、適性検査やテストの実施も容易になり、選考期間の短縮につながります。

採用コストの削減と投資対効果の向上

オンライン採用は、採用コストの削減にも効果的です。対面式の面接や説明会では、会場費や交通費などのコストがかかりますが、オンラインであればそれらの費用を抑えられます。
また、採用プロセスの効率化により、人件費や募集広告費などの削減も期待できます。結果として、採用への投資対効果が向上し、企業の経営にもプラスの影響をもたらすでしょう。

採用候補者の応募ハードルの低下

オンライン採用は、候補者にとっても応募のハードルを下げる効果があります。対面式の面接では、会場までの移動や日程調整などの手間がかかりますが、オンラインであれば自宅から気軽に参加できます。

また、遠方の候補者も応募しやすくなるため、優秀な人材の獲得につながる可能性が高まります。

地理的制約の解消と採用の多様化

オンライン採用は、地理的な制約を解消し、採用の多様化を促進します。対面式の面接では、会場までの距離が障壁となり、優秀な人材を逃してしまうケースもありますが、オンラインであれば場所を問わず面接ができます。

また、海外の候補者や障がいのある方など、多様な人材の採用にも貢献します。

企業の柔軟性・デジタル対応力をアピール可能

オンラインで採用活動を行うことで、柔軟で先進的な企業イメージを応募者に与えることができます。現在働き方の柔軟性は応募者にとって企業選びの重要な要素の一つです。オンライン採用を行うことによって応募者に好印象を与えることができるかもしれません。

オンライン採用のデメリットは？

上記ではオンライン採用のメリットを５つ紹介しました。業務の効率化やコストの削減が見込まれる一方、オンライン採用にはデメリットや課題も存在します。ここでは、メリットと同様にデメリットを５つ紹介します。

企業文化や雰囲気の伝達の難しさ

オンライン面接では、企業文化や職場の雰囲気を伝えにくいというデメリットがあります。対面式の面接であれば、オフィスの様子や社員の様子を直接見てもらうことで、候補者に企業の魅力を感じてもらえますが、オンラインではそれが難しくなります。
この課題に対しては、オンライン説明会で社内の様子を動画で紹介したり、社員との座談会を設けたりするなどの工夫が必要でしょう。

内定辞退率の上昇リスク

オンライン採用では、内定辞退率が上がるリスクもあります。対面式の面接を通じて築いた信頼関係が、オンラインでは築きにくいためです。この課題に対しては、面接後のフォローを丁寧に行ったり、内定者との継続的なコミュニケーションを図ったりすることが重要です。

採用判断の精度と公平性の確保

オンライン面接では、候補者の表情や仕草などの非言語情報を読み取りにくく、採用判断の精度が下がる可能性があります。また、通信環境の差によって、候補者間の公平性が損なわれるリスクもあります。この課題に対しては、面接官のトレーニングを充実させたり、複数回の面接を行ったりするなどの対策が考えられます。

グループディスカッションの実施の困難さ

オンライン面接では、グループディスカッションの実施が難しくなります。複数の候補者が同時に発言すると、音声が重なってしまい、議論が進めにくいためです。この課題に対しては、グループの人数の調整やディスカッションのルールの規定やファシリテーターの設置などの工夫が必要でしょう。

通信環境の不安定さとトラブル対応

オンライン面接では、通信環境の不安定さによるトラブルが発生するリスクがあります。画像や音声が途切れたり、接続が切れたりすることで、面接の進行に支障をきたす可能性があるのです。この課題に対しては、事前に通信環境をチェックしたりトラブル時の対応マニュアルを用意したりするなどの備えが重要です。

オンライン採用を成功させるポイントは？

オンライン採用を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、オンライン採用を成功させるためのポイントを７つ紹介します。

明確な目的設定と戦略的な導入

オンライン採用を導入する際は、まず明確な目的を設定することが重要です。単にコストを削減するためだけでなく、採用の質を高めたり、採用プロセスを効率化したりするなど、具体的な目標を掲げましょう。また、目的に合わせて、最適な採用手法やツールを選定するなど、戦略的に導入することが成功のカギを握ります。

最終面接の対面化と柔軟な運用

オンライン採用の課題の一つに、企業文化や雰囲気の伝達の難しさがあります。この課題に対しては、最終面接だけは対面で行うなど、柔軟な運用が有効でしょう。オンラインと対面のメリットを組み合わせることで、候補者との信頼関係を築きながら、効率的な採用プロセスを実現できます。

適切な機材と環境の整備

オンライン面接を円滑に進めるためには、適切な機材と環境の整備が欠かせません。安定した通信環境を確保するとともに、画像や音声の品質を高める機材を導入しましょう。また、面接官側の環境も整え、候補者に好印象を与えられるよう心がけることが重要です。

入念なリハーサルと改善の継続

オンライン面接では、予期せぬトラブルが起こる可能性があります。そのため、事前に入念なリハーサルを行い、想定外の事態にも対応できるよう準備しておくことが大切です。また、面接後は振り返りを行い、改善点を洗い出して、次回以降に活かしていきましょう。

トラブル対策と代替プランの準備

オンライン面接では、通信トラブルなどのリスクを完全に排除することはできません。
そのため、トラブルが発生した際の対策を事前に講じておく必要があります。代替の通信手段を用意したり、面接の延期や再開のプランを立てたりするなど、柔軟に対応できる体制を整えましょう。

候補者とのコミュニケーションの工夫

オンライン面接では、候補者との距離感が生まれやすく、コミュニケーションが取りにくいというデメリットがあります。
この課題に対しては、面接前後の丁寧なフォローを心がけたり、面接中も積極的に質問したりするなど、コミュニケーションの工夫が必要です。候補者の不安を払拭し、信頼関係を築くことが重要でしょう。

データ分析と採用プロセスの最適化

オンライン採用を導入する際は、データ分析を活用して、採用プロセスの最適化を図ることも大切です。応募者数や選考通過率などのデータを収集・分析し、ボトルネックを特定したり、改善策を立てたりしましょう。

また、候補者の満足度や内定承諾率などのデータも把握し、オンライン採用の効果を検証していくことが重要です。

オンライン採用を行う際の注意点

以上のようにオンライン採用を行うことで企業は効率的に採用活動を行うことができ、求職者は土地に縛られず快適に就職活動を行うことができます。したがってオンライン採用は企業・求職者双方にとってメリットのあるものと言うことができますが、そこにはいくつか注意点が存在します。
以下では

についてご紹介いたします。

通信環境が整備されているかどうか

オンライン採用を行う際に必須なのは十分な通信環境です。オンライン面接では通信環境の不安定さによるトラブルも予期し、十分な対応マニュアルやネット環境を整備しておく必要があります。

候補者の本人確認とセキュリティ対策を行っているかどうか

オンラインではなりすましのリスクがあるため、面接時に身分証明書の提示を求める企業もあります。また、録画や情報漏洩対策も含めて、プライバシーとセキュリティに配慮する必要があります。面接や選考を行う際は、本人確認を十分に行い、個人情報の取り扱いにも十分に気を付けましょう。

企業の魅力の十分な伝達ができているかどうか

オンライン採用を行う場合、対面で行うよりもリアルな情報や魅力を応募者に届けることが難しくなります。社内に関する動画やオンラインオフィスツアーなどを行い、オフィスの雰囲気や社員の人柄など、職場のリアルな空気感を伝えられるようにしましょう。

【6ステップ】オンライン採用の流れ

オンライン採用の導入手順について解説します。主に6つのフローに分かれます。

①目標の明確化

オンライン採用を導入するにあたっては、まずその目的と目標を明確にする必要があります。目的は、例えば、地理的な制約をなくしてより広範な候補者プールを確保することや、採用プロセスの効率化、さらにはコスト削減などが挙げられます。また、新型コロナウイルスのような緊急事態にも対応可能な体制を整えることが目標になる場合もあります。この段階では、例えば「半年以内にリモートエンジニアを10名採用する」といった具体的な目標を設定することで、プロセス全体の進行がスムーズになります。

②採用プロセスオンライン化への準備

オンライン採用を成功させるためには、適切なツールと基盤の準備が欠かせません。採用管理システム（ATS）を導入することで応募者情報を一元管理し、進捗を把握しやすくします。さらに、ZoomやGoogle Meetといったオンライン面接ツール、またはCodilityのようなスキル評価ツールも必要です。同時に、面接をスムーズに進めるためには、安定したインターネット接続環境やウェブカメラ、高音質マイクといったハードウェアの準備も重要です。これらの基盤を整えることで、オンライン採用の全プロセスが円滑に進行します。

③オンライン採用のフロー設計

オンライン採用を導入する際には、まず適切な採用フローを設計することが必要です。募集・応募の段階では、オンラインジョブポータルやSNS（LinkedInやIndeedなど）を活用して求人情報を公開し、デジタル化された応募フォームで候補者からの応募を受け付けます。次に、選考プロセスでは書類選考を行い、オンラインテストで専門スキルや適性を評価します。その後、ZoomやMicrosoft Teamsなどを使ってオンライン面接を実施します。最終段階では、電話やメールで候補者のリファレンスチェックを行うことで、プロセス全体をオンラインで完結させることが可能になります。

④担当者のトレーニング

オンライン採用をスムーズに進めるには、採用担当者が十分なトレーニングを受けることが重要です。担当者には採用管理システムやオンライン面接ツールの基本操作を習得させるとともに、ツールのトラブル対応法を教えます。また、オンライン面接では候補者とスムーズにコミュニケーションを取るスキルや、対面面接では得にくい候補者の表情や仕草を観察する能力も求められます。さらに、オンライン採用では無意識のバイアスが発生しやすいため、担当者に公平性を意識した選考基準の徹底を指導することも必要です。

⑤テスト運用とフィードバック収集

本格導入の前には、オンライン採用のフローを試験的に運用し、問題点を洗い出します。このテスト運用では、一部の職種や少人数の採用を対象に、実際のプロセスを実行してみます。そして、その結果について採用担当者や候補者からフィードバックを集め、問題点を特定します。たとえば、ツールの使い勝手や候補者への説明が十分だったかどうかなどを確認し、これらの意見をもとに採用プロセスを改善します。

⑥本格導入と継続的な改善

テスト運用の結果を反映させた後、オンライン採用を本格的に導入します。本格導入後は、採用活動の進捗や候補者の質、採用にかかったコストを定期的に評価し、必要に応じて改善を図ります。また、社員からのフィードバックを継続的に集めることで、プロセス全体を進化させることが可能です。これにより、オンライン採用が企業の採用活動において確固たる位置を占める手法として機能します。

オンライン採用の際に役立つツール３つ

非常に便利なオンライン採用ですが、どんなツールを用いてどのように採用を行えばよいかわからない方もいるのではないでしょうか？ここでは具体的に

の３つのツールを紹介したいと思います。

Zoom

Zoomはオンライン面接や説明会に広く用いられるツールです。安定した通信・画面共有・録画機能を持ち、非常に優れたWeb会議ツールの１つです。無料版と有料版があり、利用する際は利用の程度によって課金が必要になります。
出典：）「1 つのプラットフォームでつながる | Zoom」Zoom

Google Forms

誰でも無料で利用できるツールで、エントリーフォームの作成や面接前の事前アンケート、選考後のフィードバックの取得などで利用することができます。質問を自由に作成したり、回答を自動でGoogleスプレッドシートに集計したりすることもできるため、自由度が非常に高いです。

出典：）「Google フォーム: オンライン フォーム作成ツール | Google Workspace」Google

i-web

「i-web」（アイウェブ）は多くの企業が導入している採用管理システム（ATS）です。新卒採用・中途採用向けの採用管理システムであり、エントリー受付から面接管理、内定出しまで一括で行うことができるサービスで、特に大手企業の新卒採用でよく使われています。

出典：）「採用ソリューション i-web｜株式会社ヒューマネージ」株式会社ヒューマネージ

オンライン採用についてよくある質問(FAQ)

最後に、オンライン採用についてよくある質問をまとめました。

オンライン面談と面接の違いは何ですか？

オンライン面談は主に情報提供やカジュアルな対話を目的としたもので、評価よりも相互理解を重視します。一方、面接は選考の一環として応募者を評価する正式なプロセスです。

オンライン面接の欠点は何ですか？

通信環境やデバイス依存によるトラブル、対面と比べて非言語情報が伝わりにくい点、応募者の本音を引き出しづらいことなどが課題です。

中小企業でもオンライン採用は導入できる？

はい、無料または低コストのツールを活用すれば、中小企業でも十分にオンライン採用を導入・運用可能です。採用効率の向上にもつながります。

応募者とのコミュニケーションはどう取るべき？

面接前後の連絡やフォローアップを丁寧に行い、双方向のコミュニケーションを意識することが重要です。チャットやメールに加え、状況に応じて電話連絡も効果的です。

まとめ

オンライン採用は、企業の採用活動に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。オンラインならではのメリットを活かしつつ、デメリットを克服していくことで、より効果的で効率的な採用が実現できるでしょう。