採用活動の効率化や母集団の質向上を目指す中で、「採用代行(RPO)」を検討する企業が増えています。中でも、大手の採用代行サービスは、その信頼性と支援実績の多さから、採用成功に直結する手段として注目されています。
その背景には、戦略設計から実行支援までを一括で担える体制や、柔軟な対応力、幅広い職種への対応力があるためです。
本記事では、大手採用代行サービスの特徴や選び方、代表的な大手6社の比較、導入メリットや注意点まで、網羅的に解説します。

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おすすめの大手採用代行(RPO)サービス6選
採用業務の効率化や母集団形成の質向上を目指す企業にとって、採用代行(RPO)サービスの導入はもはや特別な選択肢ではなく、採用成功のための重要な戦略手段となっています。
とはいえ、RPOを提供する企業は多数存在し、「どこに任せればよいのか」「大手ならではの強みは何か」が分かりにくいのが実情です。
ここでは、豊富な支援実績・幅広いサービス範囲・信頼性の高さを基準に、数ある採用代行会社の中からおすすめの大手6社を厳選してご紹介します。
株式会社uloqo
出典:)「株式会社uloqo(旧:株式会社プロジェクトHRソリューションズ)」
- 採用戦略~スカウト・面接代行・評価設計まで一気通貫で支援
- 500社以上の支援実績、継続率80%以上の高満足度
- PPCDモデルで応募数・内定承諾率の最大化を実現
- 月額固定型:20万~80万円(業務内容に応じて変動)
- 従量課金型:例)書類選考500~1,500円/件など
- 固定月額/成果報酬/ハイブリッドに柔軟対応
株式会社リクルート
出典:)「株式会社リクルート」
- 長年の採用支援実績と膨大な人材データベースによる高いマッチング精度
- リクナビ・Indeedなど主要媒体との強力な連携による幅広いチャネル活用
- AI・データ分析機能での候補者レコメンドや採用効率の最適化
- 成功報酬型:初期費用・掲載費は無料、採用決定時に理論年収の15%を支払
- 返金制度あり:採用後6ヶ月以内の自己都合退職時には理論年収の10~80%が返金対象
- 月額10万円~の「トルトルくん」など、定額サポートプランも提供(フリーランス代行向け)
パーソルキャリア株式会社
出典:)「パーソルキャリア株式会社」
- 中途採用、求人メディア、ダイレクトリクルーティング、フリーランス活用など多様な採用チャネルを網羅
- 日本トップクラスの「doda」登録者数とサイト訪問者数に基づく高いリーチ力
- 完全成功報酬型&返戻金制度により、費用リスクを抱えず利用可能
- 成功報酬型:初期費用不要、採用決定時に年間賃金の最大100%(求人者負担)
- 返戻金制度:入社後1ヶ月以内退職で80%返戻、3ヶ月以内50%、6ヶ月以内5%返戻
- ダイレクトリクルーティング支援「PRO SCOUT」など、月額10万円~のコンサル型プランあり
株式会社マイナビ
出典:)「株式会社マイナビ」
- 新卒採用ではブランド力と学生集客力が強く、圧倒的な認知度を活用可能
- 中途採用(マイナビ転職)は20〜30代を中心に全国エリア採用に強く、豊富な求人プランあり
- 採用代行(マイナビワークス)は応募者管理・面接代行・日程調整など実務を包括的にアウトソーシング可能
- 新卒掲載プラン:バリュープラン80万円・基本パッケージ160万円・プレミアパッケージ295万円(1シーズン)
- 中途掲載(マイナビ転職):MT‑S 120万円/MT‑A 75万円/MT‑B 50万円(4週間1職種)
- 採用代行(個別サービス例):面接代行¥150,000/月、応募者管理¥100,000/月など
アデコ株式会社
出典:)「アデコ株式会社」
- 企業のビジョンと個人のキャリアビジョンを重視し、相互の想いをマッチングする「ビジョンマッチング」手法
- 派遣・紹介予定派遣・人材紹介・アウトソーシング・HRコンサルなど、総合的で柔軟な人財ソリューション提供
- 人材管理システム「Re‑Quest」を無料で提供し、業務効率化とコンプライアンス対応を支援
- 紹介予定派遣:正式採用にならない限り手数料なし(成功報酬型)
- 派遣利用時の料金にはスタッフの給与に加え、社会保険・福利厚生費・管理費(マージン)などが含まれ、マージン率は約20〜30%
- 「Re‑Quest」利用料は無料(派遣管理を効率化するWEBシステム)
株式会社レジェンダ
出典:)「株式会社レジェンダ」
- 創業28年以上、800社以上の採用支援実績とリピート率90%以上
- 独自システム「LEGENDATS」による求人~応募管理~内定フォローまでの一元運用
- 「変革RPO」による専属コンサルチームの伴走支援で採用目標の高い達成率を実現
- 予算やニーズに応じて柔軟対応:月額10万円~150万円
- 月額固定型契約(1ヶ月〜)に対応、詳細はお問い合わせ
- 業務範囲に応じた従量・ハイブリッド型の調整も可能
大手採用代行サービスの機能的な特徴
近年、採用活動の外部委託が一般化する中で、「どうせ依頼するなら信頼性のある大手に任せたい」と考える企業も多いのではないでしょうか。実際に、大手RPO(採用代行)企業には、スケールメリットと対応力を兼ね備えた独自の強みがあります。
このセクションでは、そんな大手ならではの特徴を、以下の4つの切り口からわかりやすく解説します。
- 採用プロセスを一括で任せられる
- 質の高い母集団を形成できる
- 幅広い支援範囲を柔軟に選べる
- 専任チームと管理体制の整備
それぞれの特長を理解することで、自社にとって適切なパートナー選定のヒントが得られるはずです。
採用プロセスを一括で任せられる
大手RPOの強みは、採用の戦略設計から運用・定着支援までを一括で任せられる点にあります。採用要件の定義から計画策定、媒体選定やスカウト文面の作成、さらには面接調整や内定フォローまで幅広く対応可能です。
プロセスを分断せずに一元管理できることで、採用活動全体の整合性とスピードが向上します。社内で煩雑に分担していた業務を集約することで、連携ミスや非効率も抑えられます。
質の高い母集団を形成できる
大手RPO企業は、求人メディア・スカウトDB・紹介会社との連携といった多様なチャネルを活用し、幅広い層からの母集団形成を可能にします。自社で運営するメディアを持つ企業であれば、掲載から応募獲得までを一気通貫で行えるのも強みです。
特にIT職や専門職など採用難易度の高い領域では、待ちの採用ではなく、攻めのダイレクトリクルーティングが効果を発揮します。大手はこのような攻めと守りの両面に対応できるリソースとノウハウを備えています。
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幅広い支援範囲を柔軟に選べる
大手RPO企業は、地方拠点や複数職種に対応できる体制を持ち、全国規模での一括支援にも柔軟に対応可能です。特に複数拠点で採用を進めたい企業や、急成長中の組織にとっては心強い存在です。
また、スカウト代行や面接調整、採用広報のみを外注するなど、支援範囲を細かく選べる点も魅力です。社内の体制や課題に合わせて“必要な部分だけ”を依頼できるため、無駄のない効率的な活用が可能となります。
専任チームと管理体制の整備
大手RPO企業の多くは、クライアントごとに専任のプロジェクトチームを設けて対応します。採用戦略の立案からオペレーション実務まで、役割を明確に分担しながらプロジェクトを推進します。進捗管理・レポーティング・KPI設計といった業務管理体制が標準化されているため、属人化せずに安定した運用が可能です。
セキュリティ体制においても、ISO認証など万全の体制を整えられており、応募者情報や社内データを取り扱う上でのリスクを最小限に抑える仕組みが構築されています。高水準な内部統制を前提にしたオペレーション体制は、大手ならではの信頼感に直結します。
大手採用代行サービスを活用するメリット
採用活動の効率化や質の向上を目指す中で、採用代行(RPO)の活用は有効な選択肢として注目を集めています。特に大手RPO企業は、豊富な実績と体制の強さを背景に、単なる業務代行にとどまらない付加価値を提供できる点が特長です。
このセクションでは、企業が大手RPOを導入することで得られる具体的なメリットを、4つの視点からご紹介します。
- 採用工数の大幅削減
- 専門知識とノウハウの導入
- 採用プロセスの最適化とスピードアップ
- 柔軟なプラン設計とニーズ対応
それぞれについて詳しく説明します。
採用工数の大幅削減
大手RPOサービスの導入によって得られる最も大きなメリットのひとつが、現場や人事担当者の業務負担を大幅に軽減できることです。採用活動には、応募者対応や媒体選定、原稿作成、面接調整、辞退フォローなど、煩雑で手間のかかる業務が数多く存在します。
業務を外部に委託することで、社内の担当者は戦略設計や候補者との関係構築といった、より本質的な業務に集中できるようになります。結果として、業務の効率化と採用成果の質向上の両立が可能になります。
専門知識とノウハウの導入
大手RPO企業は、多様な業界・職種での支援実績をもとに、応募動向や通過率を高めるための実践的なノウハウを豊富に保有しています。特に、書類選考の基準設計やスカウト文面の最適化、カジュアル面談を活用した候補者の惹きつけなど、選考フェーズごとに効果的な施策を提案できます。
さらに、採用競合との差別化戦略の立案や、ポジショニングの見直しといった領域でも外部の専門知見が活かされます。自社だけでは得られない第三者の視点が加わることで、採用の質と成功確率が大きく向上します。
採用プロセスの最適化とスピードアップ
RPOの導入により、採用プロセス全体の構造を見直すことができ、これまで「対応が遅い」「採用が決まらない」といった課題から抜け出すきっかけになります。面接日程の調整を自動化したり、即時対応が可能な体制を整えることで、選考のスピードが格段に向上します。
さらに、ATSとの連携によるステータス管理の可視化や、母集団分析の結果をリアルタイムで施策に反映する運用も可能になります。こうした仕組みにより、迅速かつ的確な採用判断ができるようになり、結果として採用成功率も高まります。
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柔軟なプラン設計とニーズ対応
大手RPO企業は、企業の規模や業種、採用体制に応じて、支援内容を柔軟にカスタマイズできるのが大きな特長です。契約形態も、月額固定型や成果報酬型、あるいはその両方を組み合わせたハイブリッド型など、多様な形式から選ぶことができます。
また、スカウト代行や面接調整など一部業務のスポット支援から、採用業務全体のフルアウトソーシングまで幅広く対応可能です。短期集中型の採用や、通年での継続的な運用にも対応できるため、企業ごとの採用フェーズや課題に最適な支援を無駄なく導入できます。
大手採用代行サービスを活用する際の注意点
大手RPOサービスは、専門性や対応力の面で優れた支援を提供してくれる一方で、活用の仕方を誤ると、期待通りの成果が得られないケースも存在します。外部委託である以上、コストや連携体制、ノウハウ共有のあり方には十分な注意が必要です。
このセクションでは、大手採用代行を導入する際に押さえておくべき代表的なリスクを3つに整理しました。事前に理解しておくことで、トラブルや失敗を未然に防ぎ、効果的な活用につなげることができます。
- コスト増加リスク
- 自社へのノウハウ蓄積の難しさ
- 認識のズレや情報伝達のタイムラグ
それぞれについて詳しく説明します。
コスト増加リスク
大手RPO企業は高い品質と豊富な支援体制を提供している分、費用が割高になる傾向がある点には注意が必要です。特に、成果報酬型で大量採用を行うケースでは、1名あたりの単価が高く設定されていることが多く、想定以上にコストが膨らむ可能性があります。
また、業務範囲を必要以上に広げて依頼したり、複数拠点・短納期などの複雑な案件を依頼する場合にも、費用が跳ね上がるリスクがあります。導入前には、依頼内容と予算の上限を明確にしたうえで、本当に必要な範囲に絞って委託することが重要です。
自社へのノウハウ蓄積の難しさ
RPOを長期間活用することで、採用ノウハウが社内に残りにくいという課題が生じることがあります。面接の進め方や選考基準がブラックボックス化したり、スカウト運用の成功パターンが外注先に留まってしまうケースも少なくありません。
採用データの分析や振り返りが外部主導になることで、社内にナレッジが蓄積されず、RPO契約終了後に自社運用が立ち行かなくなるリスクもあります。これを防ぐには、定期的なレポート提出やドキュメントの共有を依頼し、社内でも知見を吸収できる体制を整えることが重要です。
認識のズレや情報伝達のタイムラグ
RPOは外部パートナーである以上、たとえ大手企業であっても、自社の文化や採用スタイルを完全に理解するのは難しいのが現実です。その結果、候補者対応の方針が共有されておらず、意図しない対応が発生してしまうことがあります。
また、採用要件の微細な変更が伝わらなかったり、レスポンスの遅れによって選考スピードが落ちるなど、連携ミスが業務に影響を及ぼすケースもあります。こうしたリスクを防ぐには、初期の運用設計だけでなく、定例ミーティングやチャットツールを活用した迅速な情報共有体制の構築が不可欠です。
大手採用代行サービスの費用相場
採用代行サービスは、その提供範囲や契約形態により価格帯が大きく異なります。
本セクションでは、以下の3つの観点から費用相場を整理していきます。
- 料金形態と一般的な課金モデル
- 部分支援の価格帯
- 総合支援の費用感と見積もりのポイント
料金形態と一般的な課金モデル
RPOサービスの料金体系は大きく以下の3パターンに分類されます。
- 月額固定型:一定期間、特定の業務を委託する方式。例:月20万円〜100万円程度
- 成果報酬型:採用決定ごとに料金が発生。1名あたり30万円〜80万円が目安
- ハイブリッド型:月額+成功報酬を組み合わせたプラン
月額型は予算管理しやすく、成果報酬型は無駄なコストを抑えやすい一方で、両者には契約期間や成果条件の違いがあるため、導入前に必ず確認しておく必要があります。
部分支援の価格帯
業務の一部だけを委託する「スポット型」の支援では、比較的安価なプランが選ばれる傾向にあります。以下に代表的な支援内容と費用目安を記載します。
項目 | 想定費用(税抜) | 備考 |
---|---|---|
スカウト代行 | 月10万〜30万円 | 文面作成・配信・反応対応まで一括支援 |
面接調整代行 | 月10万円前後 | 応募者対応から日程確定まで対応 |
応募者管理(ATS運用) | 月15万〜25万円 | 応募情報の入力・進捗管理・レポート作成など |
採用広報・求人票作成支援 | 一式10万円前後 | 募集要項の構成・コピー設計・入稿代行など |
これらは企業規模や採用職種によって変動しますが、少人数・短期間の支援なら比較的導入しやすい価格帯です。
総合支援の費用感と見積もりのポイント
「要件定義から面接代行、内定フォローまで」など広範囲にわたるトータル支援を依頼する場合、費用もそれに応じて高くなります。
一般的な総合RPOの料金感は以下の通りです。
項目 | 想定費用(税抜) | 備考 |
---|---|---|
月額固定型(フルサポート) | 月50万円〜150万円 | 採用業務全体をカバーする常駐・非常駐型支援 |
ハイブリッド型(+成功報酬) | 成功報酬:1名あたり30万〜80万円 | 月額支援+採用決定時に追加報酬が発生 |
プロジェクト型(短期集中支援) | 3ヶ月100万〜300万円 | 新卒採用や中途集中採用などの期間限定施策 |
また、見積もりの際には以下のポイントに注意しましょう。
- 対応業務の範囲(どこからどこまで?)
- 契約期間(短期/中長期)
- 採用人数・職種(難易度により単価が変動)
初期費用がかかる場合もあるため、総額の見積もりと契約条件の明確化が非常に重要です。
採用代行(RPO)の費用相場は?費用の抑え方や業務内容も解説!
大手採用代行についてよくある質問(FAQ)
大手採用代行についてよくある質問をまとめました。
大手の採用代行はどの業種に強い?
IT・メーカー・医療など専門性の高い業種にも対応実績が豊富です。幅広い職種・業種に対応できる体制とノウハウを持っています。
採用代行の乗り換えで気をつけるべき点は?
引き継ぎ時の情報共有不足や運用の断絶に注意が必要です。過去の採用データやノウハウをしっかり整理しておくことが重要です。
大手の採用代行は新卒・中途どちらに強い?
多くの大手は新卒・中途両方に対応しており、特に中途採用の支援実績が豊富です。自社メディアやダイレクトリクルーティングの活用も得意です。
大手と中堅採用代行、コスパが良いのはどっち?
中堅はコスト面で優位な一方、大手は安定した品質と対応力で長期的な安心感があります。目的や予算に応じた選択が求められます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、採用活動の効率化や成功確率の向上を目指す企業向けに、大手採用代行(RPO)サービスの特徴やメリット、費用相場、注意点などを詳しく解説しました。
大手RPO企業は、採用プロセス全体を一括で担える体制や、幅広い支援内容、専門的なノウハウを備えており、スピード感のある質の高い採用を実現できます。一方で、コストや連携面での注意点も存在するため、導入にあたっては自社の課題や体制に合った選定と設計が欠かせません。
本記事を参考に、自社に最適な採用代行パートナーを見極め、より効果的な採用活動を進めていきましょう。