人材獲得競争が激化する近年、世界の大手企業では有望な人材を確保するタレントプールの手法が取り入れられています。採用候補となる人材に継続的にアプローチすることで、優秀な人材の流出を防ぎ必要なポジションの空白に即対応することができます。
しかしながら、
- タレントプールをどう活用したらいいかわからない
- 優秀な人材の採用をするために何が必要か知りたい
- タレントプールの運用方法を確認したい
など、さまざまな悩みや疑問を抱えるご担当者様も多いでしょう。そこで今回はタレントプールについて、メリットや活用のためのポイント、おすすめの企業まで詳しく解説していきます。
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タレントプールとは?
タレントプールとは、「talent(才能)」「pool(蓄える)」を組み合わせた言葉で、「自社の採用候補となる人材の情報を中長期的に蓄積・管理するためのデータベース」を指します。
従来の転職活動のように「企業」と「候補者」といった堅苦しい関係性ではなく、将来的な採用の可能性も踏まえ、セミナー案内の送付やメルマガ配信といった形で企業から直接情報発信やコンタクトを取ることで、次期の選考に向けて有望な人材を確保しておくことができます。
これらを通じて、企業側は候補者の能力やスキル・近況を、応募者側は企業のカルチャーや事業内容の理解を深めることができます。
タレントプールの対象者
タレントプールの対象者に、明確な定義はありません。採用する前段階の人材も含めて考えられており、将来的に採用の可能性がある人材は全員タレントプールの対象になると言えるでしょう。
採用市場は、日々刻々と変化しています。企業が採用したいタイミングで適切な人材が転職市場にいるとは限りません。
あらかじめより多くの人材をプールしておくことで、急遽欠員が出たときや事業展開や拡大のために新たな人員が必要になったときにスムーズなアプローチができるので、採用活動の効率化につながります。
タイミングが合わずに採用に至らなかった人
既に自社に関心を持っている人
以前、内定を辞退した人
以前、自社にて勤務していた人
自社のセミナー / 転職イベント等に参加した人
SNS等でコンタクトがあった人 など
タレントプールで実現できること
タレントプールを運用することによって、長期的な企業成長が期待できます。
これまで日本企業の主な採用活動はリクルーティングでした。リクルーティングとは、「社内の空きポストを埋めること」を指します。急な人員補充や空きポストの発生等、社内で人員が必要となるまでは候補者の募集をかけないことが、これまでは一般的でした。
企業の差し迫った短期的なニーズを満たすリクルーティングと比較し、タレントプールは自社に引き入れたい優秀なタレントのデータを集約することをいいます。タレントプールを採用活動に活用することができれば、長期的な視点を持ちながら適切なタイミングで優秀な人材の採用を行うことができます。
タレントプールが注目されてきている理由
タレントプールが注目されている理由として「労働人口の減少と雇用形態の多様化」「スペシャリスト人材の不足」「人的資本志向の高まり」が挙げられます。以下ではそれぞれのポイントについて説明します。
労働人口の減少と雇用形態の多様化
タレントプールが必要とされている理由として、労働人口の減少が挙げられます。
総務省によると、今後日本の労働力は増加の身通しがなく、減少の一途を辿り、2065年には2020年対比で約4割減になると予測されています。
出典:「少子高齢化で労働力人口は4割減」|みずほ総合研究所
このような状況の中で企業がタレントプールを活用することができれば、過去にコンタクトのあった応募者や将来自社に引き入れたい候補者を資産化することができるので、新たに候補者を探すよりも効率的に採用活動を行うことができるのです。
加えて、新卒一括採用・終身雇用・年功序列型賃金が特徴の日本型雇用は終わりを迎えようとしています。終身雇用を当たり前とせず転職を求める労働者が急増する一方で、実際の転職者数の増加率は低く、雇用の流動性は低いままです。
会社員を対象としたアンケートでは、積極的に転職先を探している転職顕在層が1割にも満たないのに対し、「転職活動は行っていないがより良い条件があれば転職したい」と考える転職潜在層は7割を超えています。このような転職潜在層へのアプローチがしやすいのが、タレントプールを利用したリクルーティングなのです。
スペシャリスト人材の不足
技術革新やグローバル化により、ITや自動車業界ではAI・IoT・データサイエンスなどに精通した人材が不足しています。求職者はいても、企業の求めるスキルと一致しないケースが多く、採用の難易度が高まっています。
労働市場が縮小する中で、質の高い採用が企業成長の鍵です。社内の優秀人材を分析し、理想の人材像を明確にすることが重要。また、社内に眠る人材を見える化し、有効活用する視点も必要です。
人的資本志向の高まり
これまでの日系企業は新卒一括採用や終身雇用といったメンバーシップ型雇用を前提に、人材を「消費する資源」として扱ってきました。
しかし、2020年9月に経済産業省が発行した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書 ~人材版伊藤レポート~」以降、人材を「資本」と捉える考え方が広がりつつあります。スキルや知識を持つ人材は、企業成長の源泉であり、特に中小企業では優秀な一人の採用が大きな影響を与えます。
そのためにも、優秀人材の候補を蓄える「タレントプール」の整備が重要です。
出典:持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート|令和2年9月 経済産業省~
企業がタレントプールを活用するメリットは?
企業がタレントプールを活用することで生まれるメリットを4つ挙げました。それぞれについて見ていきましょう。
それぞれについて詳しく説明します。
母集団形成の効率化
母集団形成とは、自社の求人に興味を示している候補者を集めることです。自社に関心のある人材や優秀な人材をデータベース化しておくことで、求人が発生した際にゼロベースで母集団を形成する手間がなくなります。社内でポジションが空いた時にデータベースを確認し、対象の人材がいれば即アプローチして選考へ進めることができます。
母集団形成について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
母集団形成とは?優秀な人材を集めるための戦略と実践方法
採用コストの削減
一から求人募集をかけ選考をする場合、人材の確保や見極めに多くの費用・時間・人的コストがかかります。しかしタレントプールを導入すると、採用候補の人材情報が予め蓄積されているため、募集や選考における費用・工数を大幅に削減できます。
タレントプールはもともと自社の採用活動の中で出会った候補者情報をデータベースで蓄えておく手法のため、データベース上の候補者にアプローチをする際は新たに料金は発生しません。そのため、人材紹介や求人媒体などの従来の採用手法と比べて採用コストを削減できます。
マッチング精度の向上
タレントプールでは継続的に候補者とコンタクトを取るため、通常の採用選考以上に候補者と会社側で相互理解を深めることができます。企業文化や職場の雰囲気を伝える一方で、候補者のスキルや人柄、志向性を知ることができるため、ミスマッチの回避に繋がります。
候補者側からしても、選考を受ける中で徐々に企業を知っていくのではなく、あらかじめ事前情報をインプットした状態で選考に臨むことができるので、双方が双方を理解した状態で選考でき、採用後のミスマッチを防ぐことが可能です。
採用マッチング率向上の方法とは?失敗原因や成功事例も紹介!
再アプローチが可能
タレントプールを活用することで、もう一度会いたい人物に再度アプローチできることもメリットとなります。
他社とのバッティングに負けてしまい入社してもらえなかった候補者や、当時は求める人物像に合わなかったが、ゆくゆくは自社に必要となりそうな候補者など、「機会があればもう一度会いたい」と思う候補者が過去にはいたことがあるのではないでしょうか。
タレントプールを構築していれば、採用候補の人材情報を常に蓄えておくことができるため、貯蓄している情報を活かして繰り返し採用候補者にアプローチすることが可能となるのです。
企業がタレントプールを利用するデメリットは?
タレントプールは採用活動の効率化に貢献する一方で、企業にとって一定のデメリットも存在します。
それぞれについて詳しく説明します。
運用コストと管理負担の増加
タレントプールの構築・維持には、企業のリソースを大きく消費します。
データベースに登録された候補者の情報を定期的に更新し、適切な管理を行う必要がありますが、これには専門の人員やシステムが不可欠です。
特に、大規模な企業ほど蓄積するデータが膨大になり、その管理コストは無視できないものとなります。
また、タレントプールは単なるデータの蓄積ではなく、関係構築の場でもあります。
登録された候補者に対し、定期的なコンタクトや情報提供を行わなければ、関心を維持することが難しくなります。
しかし、これを個別に実施するためには多くの時間と労力が必要であり、他の採用業務とのバランスを考慮する必要があります。
さらに、タレントプールの管理にはシステム投資が欠かせません。
多くの企業が採用管理システム(ATS)やCRMツールを活用していますが、これらの導入・運用にはコストが伴います。特に、中小企業にとっては負担が大きく、十分なリソースを確保することが難しい場合もあるでしょう。
候補者の関心低下と情報の老朽化
タレントプールの課題として、候補者の関心が時間とともに薄れてしまう点が挙げられます。
登録時には企業に興味を持っていたとしても、時間が経つにつれて他社へ転職したり、キャリアの方向性が変わったりする可能性があります。長期間アクティブなコンタクトを取らないと、候補者は企業に対する興味を失い、結果的にアプローチの成功率が低下するリスクがあります。
また、タレントプール内の情報の老朽化も無視できません。
候補者のスキルや経験は変化するため、数年前のデータが現在の状況と乖離していることは珍しくありません。
特に、IT業界やマーケティング業界など、トレンドが急速に変化する分野では、過去のスキルや経験が市場価値にそぐわなくなることがあります。
そのため、定期的な情報更新が求められますが、それを実施するには追加の工数が必要となり、運用の負担が増大します。
個人情報管理のリスク
タレントプールには候補者の個人情報が蓄積されるため、企業には高度な情報管理が求められます。
個人情報保護法などの法規制への対応を怠ると、企業の信用が損なわれるだけでなく、法的責任を問われる可能性もあります。
特に、グローバル企業の場合は各国のデータ保護法を遵守する必要があり、運用には慎重な対応が求められます。
また、情報漏洩のリスクも重大です。
タレントプールには多くの候補者の個人情報が含まれるため、外部からのサイバー攻撃や内部の不正アクセスによって情報が流出する可能性があります。企業はシステムのセキュリティを強化し、アクセス権限の適正管理を徹底する必要がありますが、これには追加のコストが発生します。
即戦力採用には向かないケースがある
タレントプールは、主に中長期的な採用戦略の一環として活用されるものです。
そのため、急な欠員補充や即戦力が求められる場面では、十分に機能しないケースがあります。特に、特定の専門スキルを持った人材を短期間で確保したい場合、タレントプール内の候補者がすぐに対応可能とは限りません。
また、タレントプールの候補者は、必ずしも転職意欲が高いとは限りません。
企業がアプローチをかけたとしても、すぐに転職する意思を持っていない場合、実際の採用にはつながらないことが多々あります。これは、短期間で人材を確保したい企業にとっては、大きな課題となります。
即戦力人材とは?見極め方や採用手法と流れ、要点を解説!
タレントプールを用いた採用の流れ
タレントプールを用いた採用の流れを確認しておきましょう。
それぞれについて詳しく説明します。
1.プールする人材要件の定義
まず自社の採用候補となる人材の定義を行います。誰彼構わず登録するのではなく、採用可能性の高い人材を中心にプールすることで、データベースの質の高さが担保されます。明確な基準をもったうえで人材を選定していきましょう。対象となる人材例は以下の通りです。
・過去の内定辞退者
・ポストがなく採用見送りとなった候補者
・社員の紹介する優秀な知り合い(リファラル採用候補者)
・元社員(アルムナイネットワーク)
求める人物像の設計を行う際は、下記のポイントを抑えて求める人物像の解像度を高めておきましょう。
|ターゲット設計
・MUST(必須条件)とWANT(希望条件)に条件を詳細に定める
・学歴や資格などのハード面と、価値観やスタンスなどのソフト面を明確にしておく
|ペルソナ設計
・年齢や職歴、ライフスタイル、ビジネスに対するスタンス、どのような価値観を持っているのか等、仮想の人物を明確にする
・今来てほしい人物、数年後に必要となる人物、5年かけても口説く人物等、引き入れたい時間軸ごとにペルソナ設計を行う
採用ペルソナとは?7STEPやフォーマット、活用事例を紹介!
2.データベースの構築
対象の人材について、必要な情報を収集しデータベースを構築していきます。年齢や性別、大学・在籍企業といった基本情報に加え、自社に行き着いた経路や保有するスキル・属性などを調べていきます。
収集した情報は、必要に応じてカテゴライズすることで今後のコミュニケーションプランを組みやすくなります。
すでに活用している求人媒体、人材紹介以外にも、SNS、会社説明会、リファラル採用等、候補者と出会う場面は多々存在します。日々候補者と出会いながら、今後ともアプローチを続けたい人物をピックアップし、候補者を自社のデータベースにまとめましょう。
LinkedInを活用していればLinkedIn上でプールすることができ、Facebookであればファンページなどを活用することができます。もちろんSwitch.やWantedly、TalentBaseなどでもタレントプールをつくることが可能です。
|項目例
データベースにまとめる際は、後で検索をかけて見やすいよう、項目を細かく分けておくことをおすすめします。
仕事…所属企業、職種、役職
過去応募した際の情報…応募日、応募職種、最終選考フェーズ、選考担当者、選考評価、辞退・不合格理由、履歴書、職務経歴書に関する評価
現在の情報…レコメンド理由、現在の転職意欲
3.候補者との定期的なコンタクト
せっかく自社に合いそうな優秀な人材とつながり、データベースにプールすることができても、その後の連絡を一切怠ってしまうと、自社に対するマインドシェアが下がってしまい、採用可能性が低くなってしまう恐れがあります。
そのため、候補者と定期的にコンタクトを取って相互理解を深めることは非常に重要です。自社情報の定期発信や勉強会・イベントへの招待を通じて、中長期的な視点で候補者との関係を維持しましょう。
例として、Facebookへの投稿/ブログ記事の更新/メルマガ配信/交流会などを行い、イベント情報やニュース・トピックなどの自社情報の発信をしていき、「最近いかがお過ごしでしょうか」「今度のイベントに参加しませんか」と定期的に連絡をとっていく方法があります。
また、採用ポジションに空きが出たときに最適な候補者に対してコンタクトをとっていく姿勢も必要です。
4.リクルーティング
機会を見計らって候補者に求人案内を送り、リクルーティングを行います。採用時期を逃さないためにも、候補者のスキルや理想の働き方等の情報を定期的にアップデートし、自社の採用状況と照らし合わせて判断することが重要です。
タレントプール活用における課題
タレントプールを導入すれば、採用プロセスの効率化やコスト削減に必ずつながるというわけではありません。実際にタレントプールを導入したものの、課題を抱え上手く運用できていない企業も多く存在します。
MyReferが企業の採用担当者を対象に実施した調査では、「過去選考に進んだ応募者をタレントプールして蓄積・活用していますか?」という質問に対して、蓄積・活用していると回答したのは14.6%でした。
また、活用する上でのハードルとして、「スカウトのタイミングが分からない」「タレントプールから求める人材を見つけられない」といった理由が挙げられています。
出典:株式会社Myrefer「【タレント・アクイジション実態調査vol.2】タレントプール採用に関する実態調査」
タレントプールを上手く活用するためのポイント4つ
タレントプールを上手く活用していくために、以下のポイントを抑えておきましょう。
それぞれについて詳しく説明します。
データベースを常に最新の状態にする
候補者情報が古くなると、的確な人材選定が難しくなります。また、母集団が増えるほど精査に時間とコストがかかり、効率が落ちるリスクも。人材の変化に対応するため、定期的な情報更新とデータの最適化が欠かせません。
候補者と定期的にコンタクトをとる
候補者との接触機会が少なかったり送信するコンテンツに魅力が感じられない場合、自社への関心が薄れ他の企業に流れてしまう可能性があります。
かといって頻繁にアプローチしすぎると、メール配信を停止されてしまったりSNSをブロックされてしまう恐れもあります。対象の候補者の視点に立ち、有益だと思われる情報を適度な間隔で発信するようにしましょう。
候補者の転職意思を分析・把握する
アプローチをするだけでなく、メルマガの開封率や送付頻度、メッセージに対する返答、社内セミナーへの参加有無を計測し、候補者がどれくらい転職の意思を持っているのか分析しましょう。
例えば、
・自社のリクルートページに遷移している
といった行動が見られた場合は積極的にアプローチすべきでしょう。
アプローチのタイミングを見極める
従来のリクルーティングは求職者と企業で目的とタイミングが一致していることがほとんどです。しかし、タレントプールを利用した採用は候補者の転職意向度や時期を見極めながらアプローチする必要があります。
企業にとって最適な人材だったとしてもタイミングが合わなければ採用には結びつきません。転職潜在層にもアプローチできる反面、タイミングの見極めは重要になってきます。
タレントプールの導入が効果的な企業は?
タレントプールが向いている企業について、解説していきます。
- 大企業
- 急な人員追加や欠員補充が必要な企業
- 組織変革が必要な企業
- 特定の専門知識が必要な企業
それぞれについて詳しく説明します。
大企業
タレントプールは母体数が多いほど効果を発揮するため、大企業に特に適しています。応募者が集まりやすく、紹介も得やすい上、時間や費用をかけた運用も可能だからです。
まずは社内の人材情報や課題をもとに、どのような人材をプールすべきか明確にすることが重要です。必要なスキルや経験を見極め、戦略的に構築しましょう。
急な人員追加や欠員補充が必要な企業
転職による急な欠員が出た際、欠員を埋めるために採用を行う場合もあるでしょう。
その際にタレントプールを構築できていれば、すぐに欠員を補充することができます。事業拡大によって急な増員が必要になった際も、タレントプールがあればすぐに対応ができます。
タレントプールを構築するために、まずは、人材要件に合致する人材をサーチファームやSNSを活用してリサーチします。そのうえで、求人案内を送り、対象の人材にタレントプールに登録してもらいます。
必要であれば、会社説明会を行ってもよいでしょう。
組織変革が必要な企業
事業成長のために組織変革が求められる場合もあるでしょう。
変革を成功させるためには強いリーダーや、才能を持った優秀人材が必要です。
しかしながら、多くの場合、組織変革は待ったなしの状況ですぐに取り組まれることが多いです。
組織を変革したい時に、変革を実現する人材をすぐに採用できれば、より早く組織変革を実現できます。
例えば、他社で組織変革に成功した人事のリーダーを採用することや、事業再生を成功に導いた優秀人材を採用することが方法として考えられます。
タレントプールを構築して才能ある人材を常に採用できる状態にしておきましょう。
特定の専門知識が必要な企業
企業活動の中では、特定の専門知識を持った専門家が必要になることもあります。
例えば、法務の専門家として弁護士を採用する場合や、労務の専門家として社労士を採用する場合など、タレントプールが構築できていれば必要な専門知識を持つ候補者を素早く見つけることができます。
求めるキーワードやスキルセットを使用したデータベースの検索を行うことで、特定の業界や領域におけるスキルを持つ候補者を迅速に見つけることができます。
タレントプールの導入事例
実際にタレントプールを導入する世界的にも有名な2社の事例をご紹介します。タレントプールを構築する際に、ぜひ参考にしてみてください。
デル(Dell Inc.)
デルの公式採用ページには「Sign Up for Job Alerts」という登録ボタンがあり、フォームに入力することで会社のタレントプールに登録されます。
将来の候補者として希望するポジションを選択・登録できるだけでなく、
Facebookメッセンジャーで友達に募集を紹介する
自身が紹介者としての登録もできる
ことができるようになっています。
また、Twitter、LinkedInと連携した機能も搭載しており、タレントプールとリファラルリクルーティング、ソーシャルリクルーティングといった機能が融合されている点が大きな特徴です。希望したポジションに合わせた情報が発信されるうえ、SNSと連携して知人にDELLの募集を紹介できる機能があります。
ゼネラルモーターズ(General Motors Company)
アメリカの大手自動車メーカーであるゼネラルモーターズは、キャリアサイト内にタレントプールへの登録ページを設けています。そこでは、「求人への応募はもちろん、タレントコミュニティへの参加を歓迎します!」と、気軽な登録を促す文面が綴られています。
名前や所属、職務経歴を登録でき、Linkedinとのアカウント連携が可能なため、非常に使いやすいです。
タレントプールを利用した採用に役立つサービス5選
タレントプールに役立つサービスを5つご紹介します。
TalentCloud

株式会社タレントクラウドが運営する「TalentCloud」は、タレントプールの構築・運用に特化した採用管理システムです。リスト化した候補者に対し、トラッキングを用いて興味や行動を管理しつつ、いつでもオファーすることが可能です。チャット機能を用いてやり取りできるほか、スマホ対応の採用サイト構築や一括メール配信も可能となっており、候補者に多角的にアプローチすることができます。
特徴
- タレントプール採用管理システムを提供 。
- 採用辞退者、不採用者、紹介された人材、自社に興味を持つ優秀な人材など、多様な候補者の一元管理が可能 。
- 単なる候補者データベースではなく、包括的な「採用マーケティング」ソリューションとして位置付けられている。
費用
- 月額2万円〜
CaLin

キャリン株式会社が運営する「CaLin」は、手軽にタレントプール採用を実現できるWebサービスです。採用ページに「つながる」ボタンを設置するだけでタレントプールを開始でき、自社に関心のある候補者と気軽な接点を作ることができます。無料トライアルプランを利用できるほか、採用PRコンテンツの掲載や候補者とのチャットを無制限で利用できるといった特徴があります。
特徴
- タレントプール採用を手軽に実現するWebサービスと位置づけられている 。
- コンセプトは「つながる」(自社に興味がある人を集めてプールする)、「伝える」(プールしている候補者へ自社の魅力を発信する)、「採用」(候補者が「その気」になったタイミングで採用する)の3ステップで構成される 。
- 職種や雇用形態を問わず利用可能 。
費用
- 無料トライアルプランあり
- リンク設置割引プラン:年額10万円
- オリジナルプラン:年額36万円
Talentio Hire

株式会社タレンティオが運営する「Talentio Hire」は、採用プロセスの構築とタレントプールのマネジメントを行える採用管理システムです。これまでの採用データを集計し、社員紹介の状況や選考通過率などをグラフによって可視化することができます。日時を設定するだけで面接日程の調整ができたり自動でオファーメールが作成されるといった機能のほか、月最大50名までの候補者を登録できる無料プランも提供しています。
特徴
- タレントプール機能を備えた採用管理システム(ATS) 。
- 求人管理機能として、自社の採用ページを簡単に作成でき、様々な採用媒体との連携が可能。リファラル採用やタレントプールもスムーズに行える 。
- 求人媒体だけに頼らない、多様な採用活動を展開するための機能が充実している 。
費用
- 採用状況や規模、ニーズに合わせて3つの有料プラン(Basic、Business、Enterprise)と無料プランが用意されている 。
- STANDARD:月額2万円~
- PLUS:月額6万円~
- ENTERPRISE:お問い合わせにて
HITO-Link CRM

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が運営する「HITO-Link CRM」は、タレントプールを用いた採用特化型マーケティングツールです。イベントやSNS、ブログ、社員紹介などあらゆるチャネルから得た人材情報をデータベース化し、一元管理することができます。アンケートやメール開封履歴を自動蓄積したり、人材の行動に応じた自動アクションが設定されているため採用コスト・作業工数の削減にも役立ちます。
特徴
- 日本初のTalent CRM」を謳っている 。
- タレントプールの構築機能として、イベント、SNS、ブログ、社員紹介など、あらゆるチャネルからのタレント情報をデータベース化。CSV、エントリーフォーム、Slackからの簡単な登録が可能 。
- 良質な候補者体験のサポートを重視している
費用
- 月額5万円~

株式会社TalentXが運営する「My Talent」は、タレントプールの構築から、半自動でのアプローチ、持続可能な仕組化までを一気通貫で実現できる採用特化型マーケティングツールです。タレントのアクションにあわせ自動スコアリング、適切な時期、文面で効率的なタレントソーシングが可能です。またタレントプール採用や採用マーケティングの導入のみならず、過去応募者情報のデータクレンジングや、アプローチ、採用決定まで一気通貫でサポートしています。
特徴
- 「日本初の採用マーケティングオートメーション(MA)サービス」と称している 。
- タレントプールの構築から半自動でのアプローチ、持続可能な仕組み化までを一気通貫で実現することを目指す 。
- 採用サイトを再訪する候補者を特定し、再アプローチする機能を持つ 。
費用
- お問い合わせにて
まとめ
タレントプールを利用することで、採用候補者の人材情報を蓄積し次期採用に生かすことができます。また候補者と企業間での相互理解が深まるため、ミスマッチを避け採用成功率を高めることができます。
タレントプールを用いる際は、候補者との関係を継続して維持できるよう、定期的なコンタクトや有益な情報発信を心掛けましょう。
タレントプールについてよくある質問(FAQ)
最後に、タレントプールについてよくある質問をまとめました。
ビジネス用語でプールとは何ですか?
ビジネスにおける「プール」とは、将来的に活用するために一定のリソース(人材・資金など)を蓄積・保管しておく仕組みを指します。人材領域では「候補者のストック」を意味します。
人材のプールとは何ですか?
人材プールとは、現時点で採用に至らなくても、将来的な採用候補として接点を持ち続ける人材のリストのことです。採用活動の効率化や人材の継続的確保に活用されます。
タレントプールと人材データベースの違いは?
人材データベースが「履歴書や職歴などの保管」に留まるのに対し、タレントプールは「将来の採用を見据えた関係構築と育成」を目的としたアクティブな候補者管理手法です。
タレントプールの目的は何か?
採用ニーズが発生した際にすぐにアプローチできるよう、あらかじめ候補者との関係を築いておくことで、採用スピードの向上とコスト削減を図ることが目的です。
タレントプールは中途採用と新卒採用のどちらに有効か?
どちらにも有効ですが、特に中途採用では即戦力人材との関係維持が重要なため、タレントプールの効果がより高く発揮されます。新卒でもインターン参加者などを活用したプール形成が可能です。
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